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政権に逆風、河野氏は外遊中 デジ庁立ち入り、勢いづく野党 マイナンバー

マイナンバーに関する問題を受けて政府の個人情報保護委員会がデジタル庁を立ち入り検査したことで、岸田政権への逆風が強まりつつある。

 野党は「マイナ保険証」移行方針の見直しを重ねて迫るなど勢いづく。データ総点検の最中に外国訪問を優先した河野太郎デジタル相の姿勢を疑問視する声も与党内から出ている。

 「一連のひも付け誤りを重く受け止め、総点検、再発防止、国民の不安払拭のための対応を強力に推進する」。岸田文雄首相は20日、全国都道府県議会議長会との会合でこう述べ、信頼回復を急ぐ考えを示した。

 個人情報委の立ち入り検査は、マイナ制度を所管するデジ庁への行政指導を視野に入れた異例の対応だ。公金受取口座の誤登録など相次ぐトラブルに関し、政府は8月上旬にも総点検の中間報告を公表する方針。だが、埼玉県所沢市で別人の口座に振り込まれた事例が発覚するなど事態収拾は見通せない。知事経験のある自民党議員は「点検で多くのミスが出てくると政権も厳しい」と懸念を強める。

政府は来年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替える方針。カード普及の「てこ」とするためだが、野党は批判を強めている。

立憲民主党の長妻昭政調会長は20日の記者会見で「『保険証をなくす』と不安をあおり、強制的にカードを持たせるようでは、かえって不安が高まりデジタル化が遅れる」と指摘。国民民主党の古川元久国対委員長はブログで、来秋の廃止方針の見直しを求め、「『過ちては改むるにはばかることなかれ』だ」と断じた。

立ち入り検査が入った19日、デジ庁トップの河野氏は中東歴訪中だった。総点検本部長も務める河野氏の外遊について、政府高官は事前にデジ庁に「本当に大丈夫なのか」と再考を促した。自民内でも「懸念を持った」(世耕弘成参院幹事長)「国民の印象を悪くしている」(国対関係者)などの冷ややかな声が広がる。

河野氏はこれまでもカード返納の動きを「微々たる数」と言い放つなど、開き直った対応が反発を招いていた。マイナ問題に関する参院特別委員会の閉会中審査は26日に開かれる見通し。河野氏も出席する予定で、野党から厳しい追及を受けそうだ。

時事通信より転用

時事通信

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