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井上尚弥“最終章”は世界初2階級での4団体統一自分の強さを追い求めていきたいという気持ち」

プロボクシング4団体統一バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が、ボクシング人生最大にして最後の偉業に挑む。

13日、横浜市内のホテルで4団体の王座返上と1階級上のスーパーバンタム級転向を表明した。約30分に及んだ会見では、4階級制覇への挑戦を“最終章”と語り、世界初の2階級での4団体統一を目標に掲げた。

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4年7カ月かけて集めたバンタム級の4つのベルトに未練はない。壇上に並んだベルトとともに会見に臨んだ井上の晴れやかな顔が、それを物語っていた。

「23年はスーパーバンタム級に挑戦していきたい。自分の体格はバンタム級が適性だと思うけど、やり残したことはなく、戦いたい相手もいないので、スーパーバンタム級への挑戦を決めた。ここから先の挑戦が本当の戦いになるのでわくわくしている」

-バンタム級王者時代を振り返って

「(ライトフライ級での)デビュー当時は(3階級上の)バンタム級で戦うイメージはなかった。大橋会長から将来はバンタム級、スーパーバンタム級と言われてどきどきした。その階級で結果を残すことができたのは、環境に恵まれていたからだと思う」

-次戦決定前に4つのベルトを返上する理由は

「4本のベルトを持って次戦を戦うことはないので、返上時期は正直いつでもよかった。このベルトは自分にとって宝物だけど、ここに執着することなく次に進みたい」

-スーパーバンタム級での新たな目標は

「4団体統一を目標に掲げていく。2階級ので4団体制覇は世界初の偉業になると思うので、そこを目指していきたい」

バンタム級のリミットは53.52キロでスーパーバンタム級は55.34キロ。約1.8キロ重くなる分だけ、相手の体格は大きくなり、パワーも増す。

-階級を上げると減量の負担は減るが、体格差は大きくなる。プラス面とマイナス面があるが。

「1.8キロアップはプラスになる。バンタム級では減量がすごくきつくなっていた。昨年12月のバトラー戦も100%安定感を持って戦えたかと言えば、そうではない。1.8キロ増えれば安定感のあるボクシングができると思っている。その分だけ相手の耐久性やフレームが上がるが、プラスとマイナスはゼロでいけると思う」

-バンタム級で築いた“井上ブランド”に傷がつくリスクもあるが、さらに上を目指す理由は

「自分の強さを追い求めていきたいという気持ちがあるから、階級を上げて挑戦したいと思っている。モチベーションが上がらず、パフォーマンスを下げてまでバンタム級でやりたいとは思わない」

-スーパーバンタム級に体がフィットするのは時間がかりそうか

「今、階級を上げたとしても戦える自信はあるが、敵無しと言われるくらいになるにはまだまだ時間がかかると思う。バンタム級でも年月をかけてトレーニングして、昨年のドネアとの第2戦や前回のバトラー戦で見るからに体つきが変わってきた。長い目で見ている」

-練習内容に変化は

「階級を上げたから減量が楽になるとは考えていなくて、その分、筋力アップを目指している」

-スーパーバンタム級での4団体統一が最後の挑戦になるのか

「バンタム級で4団体統一が4年8カ月(実際は4年7カ月)かかったように、スーパーバンタム級でもそのくらいの年月が必要なのかなと思う。大橋会長はフェザー級でもと言われますが、スーパーバンタム級が本当に最終章じゃないでしょうか」

-4月に30歳になる

「肉体的にも反応もまだまだ上がっているので、もっと強い井上尚弥を見せていけると思っている」

スーパーバンタム級はWBC、WBO統一王者スティーブ・フルトン(米国)、WBAスーパー、IBF統一王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)の2人の不敗王者をはじめ強豪がひしめく。

-希望する対戦相手と試合の時期は

「どの選手と試合をしても面白いが、トップ戦線で戦っている4人の選手の誰かとできればいいと思っている。時期と対戦相手は交渉中なので、名前を口にするのは避けたい」

-新たな階級でもKOを狙うのか

「KOを狙って戦うが、勝ちに徹するなど、時にはそうじゃない戦い方をしないといけないときもある。KOは気にせずに戦っていきたい」

-バンタム級に転向した時と今回との違いは

「自分自身の評価と立ち位置。バンタム級へはスーパーフライ級のベルト1つで挑んだ。今回は4つのベルトを持って上げるので、マッチメークがすごく楽しみ」

-練習は再開しているのか

「年末年始は家族とゆっくり過ごしたが、試合後1週間くらいでロードワークを始め、ジムでの練習も12月27日からスタートした。いつでも戦える状態をキープしている」

〇…井上のWBAスーパー王座ベルトが初お披露目された。19年12月、階級最強を決めるトーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ決勝でドネア(フィリピン)を下し、WBAのスーパー王座と正規王座を統一したが、ようやくベルトが到着。正規王座とは違い、正面装飾にスーパーチャンピオンと表記され、右側面に井上の姿が浮き出た装飾が施されていた。井上は「もっと使いたかったが、今日披露して返上します」と苦笑した。

ベルトの返上を発表した井上尚は会見中、IBFのベルトを見つめる(撮影・垰建太)© 日刊スポーツ新聞社

日刊スポーツ新聞社より転用

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