上海協力機構が「天津宣言」 習氏SCO開発銀行の設立表明、米政権念頭「一国主義」反対
- 国際
- 2025年9月2日

中国・天津市で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議は1日、本格的な討議を行い、一方的な経済制限措置への反対などを盛り込んだ「天津宣言」に各国首脳が署名した。会議を主宰する習近平国家主席は1日の演説で、関税圧力を増しているトランプ米政権を念頭に「冷戦思考や陣営対抗、いじめ行為に反対する」と批判して加盟国に結束を呼び掛けた。
習氏は「SCO開発銀行」を早期に設立し、加盟国に経済協力を提供すると表明した。年内に20億元(約410億円)の無償資金協力を行うことなどを約束した。
「米国第一」を掲げて多国間協調を軽視し、輸入品に追加関税を課すトランプ政権への対抗姿勢をアピールした形となった。習氏は演説で「国連を中核とする国際体制を守り、世界貿易機関(WTO)を中心とする多国間貿易体制を支持する」と強調した。
一方、ロシアのプーチン大統領も1日のSCO首脳会議で演説し、SCOが「真の多国間主義」を体現しており、「時代遅れの欧州中心モデル、欧州大西洋モデルに取って代わるものだ」と主張した。ウクライナ侵略についても、危機を招いた責任は欧米側にあるとして改めて正当化した。 8月31日から2日間の日程で開かれたSCO首脳会議は1日、閉幕。プーチン氏やインドのモディ首相、イランのペゼシュキアン大統領ら計20人以上の首脳が出席した。 習氏とプーチン氏は2日に北京で会談する見通し。
ロシア側の情報によると、両氏は8月31日にも会談を行っている。3日には抗日戦勝80年の記念行事として軍事パレードなどが行われ、プーチン氏や北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記も出席する。
産経新聞より転用
コメントする