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「シダマツ」志田千陽、松山奈未が8月にペア解消発表…「驚かせて申し訳ない」 志田は“ワタガシ”五十嵐とペア結成

バドミントンの女子ダブルスで昨夏のパリ五輪銅メダルの志田千陽、松山奈未組(再春館製薬所)が8日、8月の世界選手権(フランス・パリ)を最後に「シダマツ」ペアの解消を発表した。同日に所属チームのYouTubeチャンネルで明かし、初めてペアを組んでから約11年で区切りをつけた。

 志田は「ファンの皆様には驚かせてしまった部分もあると思うのですが、そこは本当に申し訳ない」と話した。最大の目標だったパリ五輪で銅メダルを獲得した後、2人のモチベーションに変化が生まれたことを要因に挙げ、スタッフもまじえて話し合いを重ねて結論を出したという。志田はコート上で松山がモチベーション維持に悩んでいるのを感じとる瞬間もあったといい「解消と聞くとちょっとネガティブなイメージがついてしまうと思うんですけど、さみしさもあるのですが、それ以上に感謝の気持ちがすごく大きい。ここまで走り切るパートナーに出会えたことを感謝します」と話した。  

松山は「国内での試合はジャパンオープンが最後になる。ぜひシダマツの試合をたくさんの方に見ていただきたいですし、自分たちもコートの上で感謝の気持ちを表現したいと思います」と来場を呼びかけた。志田は今後、混合ダブルスの“ワタガシ”ペアで五輪2大会連続銅メダルの五十嵐(旧姓・東野)有紗と組み、女子ダブルスを続行する。松山は「近々報告できると思います」とした。  

秋田出身の志田が高校1年、福岡出身の松山が中学3年の時に、ジュニア世代の日本代表の合宿で出会った。1年後の14年に大会で初めて組み、15年の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得した。松山は当時同種目で活躍していた志田と「組みたい」と思い、16年に実業団の強豪・再春館製薬所に入社した志田を追いかけ、17年にチームメートとなった。ここからシダマツペアとしての活動が本格的にスタートした。  

スタイルは松山の速い攻撃力を起点とし、志田がしなやかな動きで攻撃を生かす。前後でくるくると入れ替わる速いローテーションも魅力だった。日本の女子ダブルス界は、16年リオデジャネイロ五輪金メダルの高橋礼華・松友美佐紀組、福島由紀、広田彩花組、永原和可那、松本麻佑組ら世界屈指の実力ペアがそろい、最初はトップに続くB代表として海外を転戦した。  

志田の同期の山口茜がトップのA代表で活躍する姿に刺激されながら成長し、20年にトップのA代表入りを果たすと、21年東京五輪後にはエースペアに成長。伝統の全英オープンは2度の優勝。昨夏に初出場したパリ五輪では、リオ大会金の「タカマツ」以来の日本の同種目の五輪表彰台となる銅メダルをつかんだ。昨年12月の全日本総合選手権では、結成約10年で初の日本一のタイトルを獲得し、飛躍の五輪イヤーを締めた。  

シダマツペアの今後については、15日開幕の国際大会「ジャパン・オープン(東京体育館)」で解消前では国内最後の出場となり、初頂点を狙う。その後、ペア最後の挑戦として、8月にパリ五輪と同じアリーナで行われる世界選手権では、昨夏の五輪のリベンジを果たし、初の世界一を目指す。  日本国内だけでなく、中国やマレーシアなど世界中の多くのバドミントンファンを魅了してきた実力、人気ともに屈指のシダマツペア。これからはそれぞれの道で、バドミントンと向き合っていく。  

◆志田 千陽(しだ・ちはる)1997年4月29日、秋田・八郎潟町出身。28歳。小1で競技を始め、青森山田中、高で女子複日本一を経験。16年に再春館製薬所入り。女子シングルスで五輪3大会連続出場の山口茜(28)は同期。特技はバレエ。趣味は乃木坂46のライブ観戦と曲を聴くこと。名前の由来は「千の太陽のように明るく」  

◆松山 奈未(まつやま・なみ)1998年6月28日、福岡・北九州市出身。27歳。福岡・九州国際大付中、高出身。高校3年時の16年に保原彩夏と組んで世界ジュニア選手権優勝。17年、再春館製薬所入り。趣味はあまりないというが、拠点の熊本で大人気漫画「ワンピース」の銅像巡り。登場人物の「ナミ」と同名の松山も同作のファン。

スポーツ報知より転用

スポーツ報知

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