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バレー女子 西彼杵完勝、涙のV2 亡き恩師にささげる勝利 第77回長崎県高総体

4月26日に他界した井上博明前監督にささげる勝利だった。バレーボール女子決勝は西彼杵が創成館を3-0で下してV2を達成。「まだまだ、と言うと思うけれど、チームは成長して勝ちましたよと伝えたい」。遺志を継いだ出野監督は、どこかで見ているであろう恩師に向けて涙ながらに言葉を振り絞った。
 井上前監督が亡くなる5日前の県春季選手権決勝で、主将のOH田中が左足小指を骨折。途中から大黒柱を失ったチームはストレートで敗れた。「井上先生と田中に頼り過ぎ。このままでは勝てないよ」。出野監督が選手たちに求めたのは自覚と自主性だった。
 以降、前監督が指導できなくなってから遠ざかっていた伝統のレシーブ練習を再開した。強打と厳しいコースのボールを拾い続ける精神、体力の両面を追い込む練習。選手たちはこれを乗り越え、恩師が求め続けた「つなぐバレー」を再確認した。
 この日の決勝は、その成果を随所で見せた。リベロ山田を中心にOP八並、OH川尻が仲間を信じてボールに飛びつく。欠場した田中に代わって主将を任されたOH髙見や、岡、泉のMB陣は仲間がつないでくれたボールを決め続けた。気持ちの連鎖が流れを呼び、最後は岡がブロックで試合を締めくくった。
 絶対に勝ちたい大会で、前監督が植えつけた仲間を思いやる「心のバレー」を体現した選手たち。そこには試練を乗り越えてたくましさを増したチームの姿があった。復帰間近の田中は「インターハイで暴れたい」と言った。恩師の思いが再び全国のコートを駆け巡る。

長崎新聞より転用

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