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パン屋の倒産が急減、コメ高騰でパンに注目

コメ価格の高騰が食卓と倒産に変化を及ぼしている。高級パンブームが崩壊したことに加え、小麦粉の価格上昇でパン屋さんの倒産が増加していたが、ここにきて急激に減少していることがわかった。

 パン屋の倒産は、2025年1-4月累計が7件と、前年同期の13件から半減している。パンの値上げや小麦価格の一巡などが背景にあるが、昨年から高騰するコメから、家計防衛のためパン需要が盛り返した可能性もある。推計でお茶碗1杯のごはんが50円、食パン1枚が35円と、15円も安いパンのコストパフォーマンスが注目されている。

パンの安さが強みに?

 その後、小麦価格が落ち着き、価格転嫁も一巡した時期に、ライバルであるコメ価格が高騰して様相が一変。タイミングを合わせるようにパン屋の倒産が減少に転じている。  

2025年は4月までの累計が7件にとどまり、年間でもコロナ禍の低水準まで落ち着きそうだ。  

大手小売店の代表的な商品の店頭価格から1食あたりの金額を推計した。6枚切り食パン価格は210円で、1枚は35円となる。  

一方、コメ2キロは2,100円。お茶碗1杯を100グラムとすると、単純計算で50円。その差は食パンが15円安い。家族3人で毎朝パン、または「コメ」を食べるとパンは月3,150円に対し、「コメ」は同4,500円で、月に1,350円パンが安上がりになる計算だ。

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 高級パンブームで客足が変わり、小麦価格の高騰で値上げが遅れたお店を中心に、パン屋の経営は一時、厳しい状態にあった。 だが、値上げが一巡し、インバウンド需要の盛り上がりやコメ価格の高騰などで流れが変わり、パン屋の倒産は減少してきた。  

政府備蓄米の放出はあるが、しばらくコメ価格が元に戻ることは期待できず、パン屋のチャンスは続くとみられる。長年、安定した価格で日本の食卓の主人公だったコメの価格上昇は、食卓だけでなく、様々な場所で影響を与えることになりそうだ。

東京商工リサーチより転用

東京商工リサーチ

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