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米中首脳が電話協議 台湾問題で習氏けん制「身を滅ぼす」

バイデン米大統領(左)と中国の習近平国家主席=AP© 毎日新聞 提供 バイデン米大統領(左)と中国の習近平国家主席=AP

バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が28日、電話協議した。米ホワイトハウスの発表によると、両氏は約2時間20分にわたり意見を交わした。習氏は台湾問題について「外部勢力の干渉に反対する」と表明し、台湾への関与を強める米国をけん制した。一方で両氏は、対話の継続では一致した。

両首脳の対話は、3月にオンライン形式で会談して以来。台湾を巡っては、ペロシ米下院議長が8月に訪問を検討していると英紙が報道。下院議長は大統領死亡時などの継承順位が副大統領に次ぐ要職で、現職の下院議長が訪台すれば25年ぶりになる。台湾を領土とみなす中国政府は猛反発し、計画の中止を要求していた。

中国外務省によると、習氏は電話協議で台湾問題について「中国の国家主権と領土保全を断固として守るというのは、14億を超える中国人民の確固たる意思だ」と強調。「火遊びは身を滅ぼす」とバイデン氏に警告した。ホワイトハウスの発表によると、バイデン氏は、米国の台湾政策に変更はないと表明。そのうえで、中国が台湾への軍事的圧力を強めていることを念頭に「現状を変更したり、台湾海峡の平和と安定を損なおうとしたりする一方的な試みに強く反対する」と述べた。

バイデン政権は記録的な高インフレを抑制するため、トランプ前政権が発動した制裁関税の引き下げを検討している。中国の王毅国務委員兼外相は9日にインドネシアでブリンケン米国務長官と会談した際、早期の関税撤廃を要求していた。だが28日の米中首脳電話協議に関する中国側の発表はこの問題に触れておらず、具体的な進展はなかった模様だ。

中国側の発表によると、習氏は米中関係についてバイデン氏に「世界が混乱する中、国際社会は中国と米国が主導的な役割を果たすことを期待しており、これは中米両大国の責任だ」と呼びかけた。一方で「中国を(国際秩序への)最も深刻で長期的な挑戦と見なすことは、誤った判断であり、両国民と国際社会を誤解させることになる」と強調し、対中姿勢の見直しを求めた。バイデン氏は「米国は中国との対話を維持し、相互理解を深め、誤解や誤った判断を避け、利害が一致する分野での協力を模索することを望んでいる」と述べたという。

両氏はウクライナ危機についても意見交換した。中国外務省は、習氏が「原則的な立場を重ねて伝えた」と発表した。中露の連携を警戒してロシアを支援しないよう求めるバイデン氏に対し、一方的な対露経済制裁に反対すると表明したとみられる。【北京・岡崎英遠、ワシントン西田進一郎】

毎日新聞より転用

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