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大英博物館で葛飾北斎展 版下絵103枚、世界初公開

30日から大英博物館で始まる葛飾北斎展=ロンドンで2021年9月28日、横山三加子撮影© 毎日新聞 提供 30日から大英博物館で始まる葛飾北斎展=ロンドンで2021年9月28日、横山三加子撮影

ロンドンの大英博物館で30日から江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎(1760~1849年)展が始まり、版下絵103枚が世界初公開される。版下絵とは、版画の元となるデザインを紙に描いたもので、通常なら彫り師が木版をつくる過程で絵も一緒に削る。このため残っていること自体が珍しい。躍動感と繊細さが同居する北斎の筆致を楽しめる貴重な機会となりそうだ。2022年1月30日まで。大英博物館のホームページ上でも閲覧できる。

大英博物館によると、版下絵は図鑑「万物絵本大全図」のために北斎が制作したもので、1820年代から40年代にかけて描かれた可能性があるという。だが、何らかの理由で図鑑は刊行されなかった。その後、版下絵はフランスの著名美術収集家が所有していたが、1948年に別の個人収集家の手に渡ったとみられる。2019年にパリで再発見され、大英博物館が20年に購入した。

はがきサイズの版下絵は宗教や神話をテーマにした場面や、猫や鳥などの動物を描いたものなどさまざま。「流離王雷死」は、現代の漫画とも思えるような細かい線で表現した鋭い雷光が特徴的だ。熊が滝の中で忍耐強く魚が跳びはねるのを待つ様子を描いた「熊と滝」は、水しぶきの描き方に北斎の代表作「神奈川沖浪裏」との共通点が見て取れるという。

大英博物館で日本担当の学芸員、アルフレッド・ハフト氏は「北斎は非常に複雑な題材を、小さな空間に力強い構図で配置し、作品にエネルギーを吹き込んでいます。北斎が素晴らしい版画デザイナーであると同時に、素晴らしい絵描きでもあったことが理解できます」と話している。

毎日新聞より転用

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