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半導体不足、影響は店頭に カーナビや電子ピアノも

 半導体の世界的な不足の影響が、カーナビやエアコンなど、さまざまな製品に及んでいる。コロナ下で需要が増えた商品も、思うようにつくれない。半導体の生産設備をすぐさま増強することは難しく、解消には時間がかかりそうだ。

東京都江東区にあるカー用品店「A PIT オートバックス東雲」はふだん、20種類のカーナビをそろえているが、3~4割は品切れの状態。「納期はいつになるのかわからない」と担当者は話す。

理由は半導体の不足だ。カーナビ大手のJVCケンウッドの広報担当者は「注文をいただいているのに十分に生産できず、心苦しい」と話す。カーオーディオなどほかの製品も含め、4~6月期の売上高に86億円のマイナス影響があったという。

半導体の流通を担う商社の担当者は「性能や種類に関係なく、半導体は全方位で足りない」。在庫を増やしたくても増やせず、「コントロールが利かない」という。

コロナ下で在宅勤務が増え、家電やパソコンなどの「巣ごもり需要」が膨らんだ。インターネットの通信量が増え、データセンターの設備増強も相次いでいるが、それに必要な半導体も不足気味だ。

三菱電機は家庭用エアコン用の半導体の調達に苦労しており、カシオ計算機は電子ピアノの生産を思うように伸ばせない。パソコンを手がけるレノボ・ジャパンでは、注文通りに納品できない機種が出ており、代わりの機種を選んでもらっている。楽天モバイルは自前の基地局による人口カバー率を大手3社に近い96%まで引き上げる目標時期を、今夏から年内へと先送りした。

 

朝日新聞社より転用

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