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英実業家ブランソン氏、自社の宇宙船搭乗 無事に帰還

英実業家リチャード・ブランソン氏が創業した宇宙開発ベンチャー「ヴァージン・ギャラクティック(VG)」は11日、自社開発した宇宙船「VSSユニティ」の有人飛行試験を行った。宇宙船にはブランソン氏自身が初めて搭乗。大気圏と宇宙の境界付近となる高度約85キロまで上昇した後、約70分後に地上に無事帰還した。

VG社は、英複合企業ヴァージン・グループを率いるブランソン氏が2004年に設立。今回は22回目の飛行試験、4回目の有人飛行試験で、宇宙飛行士2人のほか、ブランソン氏らVG社幹部4人が宇宙旅行経験を評価する技術者として搭乗した。宇宙開発ベンチャーの創業者が自社の宇宙船で宇宙に飛び立つのは世界初だ。

VSSユニティは米東部時間11日午前10時半(日本時間11日午後11時半)過ぎ、米西部ニューメキシコ州の専用施設から、親機となる専用ジェット機「ホワイトナイト2」に搭載されて離陸した。

高度約15キロの成層圏で親機から切り離された後、ロケットエンジンに点火し、音速の3倍「マッハ3」のスピードで高度約85キロまで上昇。無重力状態を数分間経験した後、離陸地点と同じ専用施設の滑走路に着陸した。

ブランソン氏は宇宙空間を体験した直後、VG社のインターネット中継で「人生のなかで完璧な体験だ。このような美しい場所を作り上げてくれた皆さん、おめでとう」と満面の笑みでVG社スタッフをたたえた。

国際航空連盟(FAI)は高度100キロを地球の大気圏と宇宙空間との境界と定義している。一方、米軍や米航空宇宙局(NASA)が宇宙とみなす高度約80キロ(50マイル)以上でも、無重力や丸みを帯びた青い地球を楽しむことができる。

VG社は今年6月に米連邦航空局(FAA)から民間人の搭乗する宇宙旅行の運航許可を取得しており、22年初めの商業運航開始を目指している。宇宙旅行の料金は1席当たり約25万ドル(約2750万円)で、すでに約600人が予約しているという。【ワシントン中井正裕】

毎日新聞より転用

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