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【2021衆院選】維新 「新たな登山ルート」で挑む

日本維新の会は、橋下徹元大阪市長が党を率いていた旧維新時代を含め、過去3回の衆院選を戦ったが、ここ2回は獲得議席が減少している。

橋下氏らが結成した大阪維新の会を母体とする日本維新の会は平成24年11月、石原慎太郎元東京都知事が立ち上げた太陽の党と合併した。直後に臨んだ初の衆院選で54議席を獲得し、いきなり自民、民主両党に次ぐ第3党に躍り出た。

だが、江田憲司衆院議員が代表を務めた結いの党との合流をめぐって、橋下氏系と石原氏系の議員が対立して党は分裂した。維新の党として戦った26年の衆院選は41議席にとどまった。

その後、橋下氏系と江田氏系の路線対立が表面化して再分裂。橋下氏系議員らによる「おおさか維新の会」の結成と橋下氏の政界引退を経て、再び日本維新の会として臨んだ前回29年は11議席にまで後退した。

現在、衆院勢力が10議席の維新は次期衆院選に向け58人の候補者を内定している。代表の松井一郎大阪市長は「野党第一党」との目標を掲げ、最終的に100人に近づけたい考えだが、達成は容易ではない。

維新にとって痛手だったのは、政策の一丁目一番地だった大阪都構想が、昨年11月の大阪市の住民投票で再否決されたことだった。

馬場伸幸幹事長は「統治機構改革の旗は絶対に降ろさない」と強調する。だが、2度の否決で、党内には「ボトムアップでの統治機構の大改革は難しい」との認識が広がった。このため、統治機構改革のアプローチとして国主導も含む「新たな登山ルート」(馬場氏)を開拓し、次期衆院選公約に盛り込む考えだ。

また、否決を受け橋下氏とともに結党以来、党の「顔」であり続けてきた松井氏が市長任期限りでの引退を表明した。党内で世代交代が進むのは確実で、政策面でも都構想に代わる新たな目玉を示す必要に迫られるなど転換期にある。

全国への浸透も大きな課題だ。多くの国会議員が大阪選出・出身で、依然「大阪の党」とのイメージが強い。幹部の一人は「維新が全国政党になるためには、東京で議員を増やさないといけない」と語る。

維新は東京都の25選挙区の3分の2に当たる16選挙区以上で候補者を擁立する方針で、比例東京ブロックの得票目標を100万票以上に設定した。昨年末には公認を内定した12選挙区の支部長を国会内に集めて記者会見を開くなど“首都決戦”を重視している。

(原川貴郎)

産経新聞より転用

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