【尾車親方の目】朝乃山は仕切りで照ノ富士との勝負に負けた
- スポーツ
- 2020年11月10日
© スポーツ報知/報知新聞社 朝乃山を上手投げで破った照ノ富士(左)(カメラ・清水 武)
◆大相撲11月場所2日目(9日、東京・両国国技館)
朝乃山にとっては屈辱的な黒星だったといえる。
ポイントは両力士の立ち合いの仕切りにあった。先に両手をついて待っていたのは朝乃山。照ノ富士はゆっくりとマイペースの仕切り。じっくりと“タメ”を作った。この時点で勝負ありだった。
立ち遅れた朝乃山は立ち合いの当たりが弱く、圧力もそぎ落とされてしまい何もできなかった。一方の照ノ富士は自分のリズムで立って、すぐに左前まわしをつかんだ。得意の右四つから、腕(かいな)を返して前に出ながら、教科書通りの上手投げ。
朝乃山は真面目な力士だが、優等生過ぎても勝負には勝てないことがわかったと思う。立ち合いの“待った”は決して許される行為ではない。しかし、あの場面では立ち上がって一呼吸入れる必要があったかもしれない。そうすれば流れは変わっていたかもしれない。すべてが照ノ富士の青写真通りだった。(スポーツ報知評論家)
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