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活力を充電、福岡市を「昼寝都市」に 寝具の「西川」が協力、ブランケット1000枚配布

 福岡市は老舗寝具メーカーの西川(東京)と共同して、企業の従業員に、短時間の仮眠を推奨する運動を始めた。フード付きブランケット1千枚を企業に無料で配り、セミナーなども計画する。仮眠は健康増進に加え、気分転換による生産性向上が期待できる。福岡市は、よく寝てよく育つ昼寝都市を目指す。(九州総局 中村雅和)

今回の運動は西川が提案し、市にブランケットを提供した。ブランケットには「CHARGING NOW」(充電中)とプリントされている。

福岡市中央区にある月刊情報誌「ナッセ」編集部では、運動が始まった5月29日から、スタッフがそれぞれのタイミングで仮眠するようにしている。

データ入力を担当する上野明美氏(30)は「仮眠後は、考えがうまくまとまる」と語った。普段から、休憩時間中によく仮眠をしているが「ブランケットのおかげで、周囲の明るさや音を遮断できて、より良い仮眠時間を過ごせた」と笑顔を見せた。

十分な睡眠は、健康維持に欠かせない。

ただ、現代日本では生活リズムが夜型に変化した。「暗くなったら寝て、明るくなると起きる」という生物として人間が持つ本来のリズムから、大きく外れている。不眠症をはじめ、睡眠障害に悩む人も多い。

福岡市の平成28年度の調査では、「睡眠で休養が十分に取れていない」との回答者が、30~40代で3割に上った。

そこで今、昼間に仮眠をとる「パワーナップ」運動が注目される。昼寝を示す英語「ナップ(nap)」と「パワーアップ」を組み合わせた造語だ。

■祖先の習慣

睡眠の重要性について長年、科学的に調べている中部大学生命健康科学研究所(名古屋市)の宮崎総一郎特任教授(睡眠学)は「仮眠は体のリズムに従った良い取り組みだ。注意力の低下などを防ぐ効果がある」と訴えた。

宮崎氏によると、人間は夜とは別に、午後2時頃から眠気が高まることが多いという。

「はっきりとした理由は分かっていない。ただ、アフリカ大陸で誕生した人類の祖先は、気温の高い時間帯は活動を控えていただろう。その習慣が、進化の過程で残ったのではないか」という。

効果的な仮眠の取り方について宮崎氏は「机に伏せるなど、すぐに起きられる体勢が望ましい。横になってぐっすり寝てしまうと、夜に眠れなくなる。大切なことは、夜も含めて、1日トータルで、睡眠の質を高める取り組みだ」と語った。

■サボりじゃない

30分程度の仮眠は健康増進につながるとして、文部科学省は、教育現場での「昼寝」導入を進める。

西川の西川八一行(やすゆき)社長は「医師との共同研究でも、昼寝は情緒の安定や生産性向上、創造性アップなどと関係があると分かってきた」と話した。

福岡市も「昼寝」の機運を盛り上げる。特設サイト(https://powernap.fukuoka.jp/)から、パワーナップ運動の参加企業を募集する。飲食店には「昼寝OK!」のステッカーを配布した。

とはいえ、仕事中に仮眠を取るハードルは、まだまだ高い。高島宗一郎市長は「昼寝はサボっているわけじゃないという風潮をつくっていく。睡眠によるパワーチャージは効果が大きい。市役所でも率先して導入したい」と訴えた。

産経新聞

 

 

一言コメント
眠いと仕事にならないもんね。

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