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「世界をリードする人材育む」 九大伊都キャンパス完成記念式典

九州大学は29日、伊都キャンパス(福岡市西区)の完成記念式典を、キャンパス内の椎木講堂で開いた。大学関係者やOB、政財界関係者ら約千人が集まり、大学の新たな門出を祝うとともに、アジアの拠点大学としての活躍を期待した。 (九州総局 高瀬真由子)

久保千春学長は「平成という移転の時代を終え、伊都キャンパスを拠点に新たな時代を歩み始める」とあいさつした。将来への決意として伊都キャンパス宣言を発表し、「世界をリードする人材と、新しい科学を生み出す。イノベーションの扉を開き、未来に向けて躍進し続ける」と宣言した。

移転は平成3年に決定し、福岡市とその周辺にある箱崎、六本松、原町地区の拠点を集約した。敷地面積272ヘクタールは、1カ所のキャンパスとしては国内最大。17年から順次、移転を進めてきた。約1万9千人の学生、教職員が通う。

式典に出席した麻生太郎副総理兼財務相は、移転決定時を振り返り、「何で伊都に移すか分からんと、反対した方もずいぶんいらっしゃる」と笑いを誘った。少子化時代の大学づくりに触れ、「日本で学びたいという海外の学生は多い。福岡はアジアのハブを目指しており、その核になるのは九大だ」と激励した。

自治体トップも駆けつけた。九大は水素研究などで産学官の連携を進めている。

福岡市の高島宗一郎市長は「広大な敷地に、最先端の教育・研究環境が整い、知の拠点が完成した。グローバルに活躍する人材が生まれることを期待する」と述べた。福岡県の小川洋知事も「大学と幅広い分野で連携し、福岡県をもっと発展させていきたい」と語った。

式典壇上には「躍進百大」と掲げた。すべての分野で世界のトップ百大学に躍進するというスローガンで、出席者からも、世界を見据えた人材育成に期待する声が多く上がった。

九大福岡同窓会会長の貫正義氏(九州電力相談役)は「九大と経済界が一体となって次世代を担う人材を育成し、九州から首都圏などへの人口流出を、少しでも食い止めることができればと願っている」と述べた。

記念講演では、平成28年にノーベル医学生理学賞を受賞した、福岡市出身の大隅良典・東京工業大栄誉教授が登壇した。

大隅氏は「私の研究は好奇心が支え、何かに役立つと思って始めたわけではない。ただ、一つの発見が大きな領域に携わっていくことがある。社会がいろんなチャレンジを許してくれることが、科学の進歩には大事だ」と基礎研究の重要性を指摘した。

産経新聞

 

 

一言コメント
どんな成果が出てくるか楽しみだ。

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