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人気宅地を住宅メーカーが“囲い込み” 社員42人が個人名義で応募 北九州市が不正確認へ

北九州市が分譲する人気宅地を巡り、福岡県内に本社を置く住宅メーカーが市の定める公募要件に反し、社員42人の個人名義を組織的に集めて申し込んでいたことが分かった。市は公正性の確保のため、会社ぐるみや同一世帯で複数申し込むことを認めていない。同社は個人と偽って宅地を多く確保しようとしたとみられる。抽選を10月に控え、市は不正がないかどうか確認に乗り出した。

「組織ぐるみで申し込んでいるようだ」との情報提供に基づき、「あなたの特命取材班」が取材した。

分譲地は、若松区と八幡西区にまたがる住宅団地「ひびきの」(約135ヘクタール、850区画)。市が「北九州学術・研究都市北部土地区画整理事業」として、2002年度から約260億円を投じて開発した。08年以降、段階的に公募が行われ、既に700区画超が契約済みになっている。大学が集積し、自然環境も豊かで人気が高く、一帯は高級住宅が立ち並ぶ。

第13期分譲(宅地35区画)の受け付けは8月末に行われた。個人も法人も、気に入った1区画にだけ申し込むことができ、申し込みが重なった区画については、抽選で分譲を受ける権利が得られる。価格帯は、最も人気があった場所(約246平方メートル)で1400万円ほどだった。

取材を進めたところ、同社は「売り上げへの協力」と社内に呼び掛けた上で、社員計42人から「申込書」「住民票」など必要書類を集め、売れ筋とみられる区画を中心に申し込んでいたことが判明した。申込総数計109件のうち、同社関係者分は4割近くになる。

この分譲地に詳しい関係者によると、個人名義で申し込めば会社の関与は発覚しづらい。得られた宅地は、自社住宅を建てる条件で個人に販売する計画だった可能性がある。「ひびきのは人気が高く、必ず売れる。住宅価格を高めに設定して利益を得ようとしていたのではないか」(北九州市の住宅メーカー関係者)との見方がある。

特命取材班の取材などを受け、同市区画整理課は今月中旬、申込者の一部に急きょ、不正に関わっていないかを再確認する誓約書を提出するよう求めたという。

同社幹部は本紙の取材に、社員42人が要件に反して申し込んでいたことを認め、申し込みは辞退すると説明した。ただ、「北九州市に勤務する社員数人が、どうしてもこの土地を欲しいということでみんなが協力した。住宅と一緒に売り出す目的ではなかった」と話し、転売目的は否定している。

 

一言コメント
よく悪知恵がはたらくね。

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